プーチン大統領、新軍事大国建設を宣言

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ロシアのプーチン大統領が、年次教書演説をして軍事大国化を宣言したらしい。
さらに国内の少子化問題にもふれていて、これを憂慮しているということだな。
この産経新聞には、そこまで書いてないけど、CNNにはそう書いてある。
さらに、WTO加盟の件での不満もあるし、チェイニー米副大統領の発言も頭にきてるようだな。


http://www.sankei.co.jp/news/060510/kok103.htm
「強い軍あれば、外圧はね返せる」 露大統領、新軍事大国建設を宣言

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は10日、クレムリンで2006年の年次教書演説を行い、ロシアが今後、国益の追求と世界の安定のため、近代的な軍事大国建設に向けて邁進(まいしん)すると宣言した。大統領は、好調な経済を背景に、軍事予算のさらなる増大を約束。演説では所々で、軍事超大国の米国に対抗する姿勢が強く浮き彫りにされた。
 大統領は「オオカミは誰を食うか、相談をしてはくれない」と述べ、国際政治では軍事力がものを言う現実があると強調。「強い軍があれば、外圧をはね返せる」とも述べ、ロシア軍の近代化を急ぐ姿勢を打ち出した。

 その中で、最新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「ブラワ」を搭載し、ソ連崩壊後初めて配備される戦略原子力潜水艦2隻と、移動型の大陸間弾道ミサイルICBM)「トーポリM」を中心とした最新の核抑止戦力の強化を挙げた。

 そのうえで、問題が指摘されている徴兵制から志願制への移行など軍の機構改革を進めるとともに、機動力と緊急展開能力を備えた部隊を整備し、「同時にいくつかの地域紛争と、大きな戦争を戦える軍」の構築に全力を挙げると述べた。

 軍改革の後ろ盾となる国防予算について、ロシアは、国内総生産(GDP)比で英国やフランスとほぼ同規模であるものの、「米国はロシアの25倍に当たる」とも指摘。軍事大国化のために「予算は増やすが、(米ソ両国の軍拡競争で巨大な国防予算に押しつぶされた)ソ連の過ちは繰り返さない」とも語った。

(05/10 21:00)

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060510i114.htm
露大統領が米に反論、核戦力強化を主張
 【モスクワ=金子亨】ロシアのプーチン大統領は10日、クレムリンで開かれた上下両院合同会議で年次教書演説を行い、最近米政権から受けた人権抑圧などを巡る非難に「冷戦期の軍事同盟対峙の思考から脱却していない」などと激しく反論した。

 その上で、外交的圧力を抑止する方策として、核戦力を柱とした軍備近代化の必要性を主張した。

 これは、7月の主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)を前に、露内政への批判を強める米国をけん制したものだ。

 約1時間にわたった演説で、大統領は世界貿易機関WTO)加盟を目指す方針を示しながらも、「交渉は無関係の問題の駆け引きに使われるべきではない」と述べ、ここでも米国を暗に批判した。

 大統領はまた、ロシアで「毎年約70万人ずつ国民が減っている」と人口減少を最も切迫した問題と提起。死亡率の低下と出生率の上昇に取り組む方針を示した。

 一方、対外協力を強化する相手として独立国家共同体(CIS)諸国を筆頭に挙げ、次いで欧州連合(EU)、米国、中国、インドを列挙したが、日本に対する言及はなかった。

(2006年5月10日22時41分 読売新聞)


産経と読売の両方のまとめ記事みたいな
CNNの記事
http://edition.cnn.com/2006/WORLD/europe/05/10/russia.putin.address/index.html


で、この年次教書演説を、どう評価するかだけど
僕は、プーチンという大統領は、結構評価が高いんだな。
またこんな事書くと、いろいろ書かれそうだけど、事実そう思うんだから仕方ないかな(笑)

日本国民の普通の感情で書けば、とんでもない人(例えば劇場テロの対応・チェチェンなど)だけど
僕は、ロシアという国の国家指導者として考えると、相当な人物だと思う。
それは、したたかさであり、かつての冷戦時代の一方の雄としてね、そう思うんだな。
ソ連が崩壊して、その後ロシアの地位低下と経済失敗からここまできたんだけど
プーチン大統領には、戦略があるように感じるな。

それは、言うまでもなく超大国としての復活なんだろうけど、
ここがなかなか難しいところであると思うな。アメリカと面と向かって敵対もできないし
EUや中国と程よく付き合っていくんだと思うけど、アラブ諸国との関係が難しいだろうな。
ここらへんのさじ加減が、プーチン大統領の腕の見せ所に鳴ると思う。

ロシアというと、なんだかんだ言っても、シベリアの天然資源が将来的には最大の問題になると思う。
石油関係とか天然ガスで相当に儲かってきてるだろうし、採掘権とかで
アメリカの企業との関係がどうなるかだな。これは、将来に禍根を残しかねないように思えるな。
経済力の後ろ盾がないと、いくら軍事力に力いれても、ソ連時代の二の舞だからね。

で、どうしても気になるのはこの部分だな。
【最新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「ブラワ」を搭載し、ソ連崩壊後初めて配備される戦略原子力潜水艦2隻と、移動型の大陸間弾道ミサイルICBM)「トーポリM」を中心とした最新の核抑止戦力の強化】

アメリカの戦略原潜は、だいぶん変わってきて通常のトマホークとかになってるみたいだけど
これでアメリカの戦略原潜も維持する事になっていくように思う。
SOLTとかで核も減ったけど、これも世界の現状からしアメリカの戦略は変わることになるな。
結局、最後の抑止力としての核兵器の価値は、変わらないし益々そうだろうと思う。

日本としては、この「オオカミは誰を食うか、相談をしてはくれない」という意味を
政府だけじゃなく、国民がよく考えないといけないと思うな。
最後に物を言うのは、軍事力であり、これがダメなら国家存続の危機ということになる。
中国・北朝鮮と(韓国もね)いう潜在的脅威があるんだから、大事な事だと思うな。

先進国首脳会議が、7月にロシアで開かれるけど、みんな仲良くしてくれるといいな~♪