左心室縮小形成術

これは一般的にはバチスタ手術という名前であり拡張型心筋症の患者なら一度は耳にする手術である。
これは僕がいろいろ調べてみると医師の間でも賛否両論あるみたいである。
まあ僕は医師ではないし医学的にどうかというより実際にやるかどうかという患者の立場で書きたい。

くどいけど僕は移植は望んでない。以前に寿命だと思ってあきらめると書いた。
書いたけどもしこれでもうちょっと長生きできるという確率が上がるなら是非やりたいというか
お願いしたいときっと思うと思う。厳密にいえばその時の年齢や状況によるけど今ならやりたい。

これは以前にも紹介したhttp://home.b00.itscom.net/snakajii/batista/index.html
ここに体験記があるけど今日の読売オンラインにいいのがあるからこっちも紹介したい。
これは新型の左心室主縮小形成術の説明になってる。読売新聞えらい♪

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20050822ik17.htm
心室縮小形成術
「良い心筋」残し生かす
 心臓の筋肉(心筋)が徐々に衰える拡張型心筋症が悪化し、1か月近く寝たきりとなった東京都の60歳代の男性Aさんは、今年4月、東京都港区の心臓血管研究所付属病院に転院した。大きく広がって働きの鈍った心臓の左心室を、心筋を切除せずに小さくする新しい手術(左心室縮小形成術)を受けた。手術3日目から歩行が可能となり、1か月のリハビリを経て退院、経過も良好だ。

拡張型心筋症は原因不明で、重症だと心臓移植以外では助からないとされる。四つある心臓の部屋のうち、全身に血液を送る左心室が、心筋の働きが弱った分、ポンプ機能を維持しようと膨らむ。

 1990年代初めに始まった治療が、拡張した左心室の心筋の一部をばっさり切り取る「バチスタ手術」だ。ブラジルのR・バチスタ医師が考案した。左心室の容積を減らすことで心臓の収縮力を増し、ポンプ機能を回復させる。

 日本では96年に初めて行われ、98年に保険適用された。だが、手術の成績が思わしくなく、件数は伸び悩む。

 バチスタ手術では、左心室の背中側の心筋を画一的に切除する。しかし、肥大した心筋は一様に悪くなるのではなく、重症の患者でも十分な機能を持つ部分が残っていることがわかってきた。

 心臓血管研究所付属病院心臓外科で指導する医師、須磨久善さんは、国内で初めてこの手術を実施した第一人者。手術中に、超音波装置で、心筋の障害のある部分と、機能を維持した部分を見分け、可能な限り良い部分を残す改良型のバチスタ手術を5年前に考案した。

 心筋のうち、左右の心室を仕切る心室中隔の付近が悪くなった場合、中隔は切除できない。そこで須磨さんは、特殊な合成繊維でできた布(パッチ)で間仕切りを作って心室の空間を狭め、中隔を切除せずに左心室を3分の2程度に縮小させる「中隔前壁心室除外術」=SAVE(セイブ)手術=も開発した。

 パッチの間仕切りと中隔の間には血液が入り込み、自然にふさがれる。Aさんも、左心室裏側の心筋が十分な機能を保っており、SAVE手術の対象となった。この手術も保険が適用される。

 傷んだ心筋の部位により、改良型バチスタ手術とSAVE手術の2通りの左心室縮小形成術を使い分ける手法で、治療成績は向上した。

 須磨さんが今春まで院長だった葉山ハートセンター(神奈川県葉山町)などで実施した96例の場合、左心室の裏側を一様に切除した従来のバチスタでは、手術による死亡率は42・8%。一方、心筋の具合を見て、改良型バチスタとSAVEを選択した場合の死亡率は14・6%と、約3分の1に減った。

 須磨さんは「良い心筋を残すことで、切除する部分を小さくできる。内科的治療を組み合わせ、長期の生存率の改善も期待している」と語る。

 同研究所付属病院の内科的治療は、左心室形成術の後、新しいペースメーカー「両心室ぺーシング」の機器を埋め込む。通常のペースメーカーは右心室に電気刺激を与えるが、両心室ぺーシングは左右の心室をほぼ同時に刺激し、スムーズに収縮させる。

 心室形成術は、〈1〉薬による治療で心不全が改善しない〈2〉左心室の内径が8センチ以上に拡張している〈3〉左心房と左心室の間の僧帽弁に逆流がある、などが条件。須磨さんは欧米でも手術を指導している。(科学部・長谷川聖治)

SAVE手術、改良型バチスタ手術を行っている医療機関
心臓血管研究所付属病院(東京都港区)(電)03・3408・2151
葉山ハートセンター(神奈川県葉山町)(電)046・875・1717
京都大学病院(京都市左京区)(電)075・751・3111

(2005年8月22日 読売新聞)

というひじょ~にわかりやすい記事でとってもありがたく思う。
記事のリンクには絵での説明もありわかりやすくていい。ほんとこういう記事は素晴らしいと思う。

日本の心臓移植はほとんど絶望的な件数(5年で19件)なだけにこういう手術で延命がはかれ
また心臓の機能が回復するという可能性がある事は何もしないよりは希望があると思う。
確かに最初は成功率は悪かったのだけどこれはもう最悪の状況での手術だった件数もあったと思う。
それゆえ数字が悪かったのも一因であるんではないか?。

患者として思うにこういう選択肢が増えるのはいい事だと思う。他にも温熱療法とかもあるし
いろんな医師や研究者の皆さんがこういう研究というか新薬とかその他もろもろな事を
頑張ってしてくれるのは嬉しく思う。今の時点では心臓移植でしか治らないけどそれも免疫抑制剤
ずっと飲まないといけないしいろいろな選択肢が増えるのは歓迎したい。
究極は移植しなくても治る病気になってほしいけど過度期なんだから待つしかない。

脳死による臓器移植が昨日今日と連続して発表されたこのタイミングでこういう記事を書いてくれた
読売新聞に感謝したいと思う。