生まれ変わった俺様

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今日も親父にぶん殴られた。
いったい俺の何がそんなに腹立たせるのかだけど
出来の悪い息子に我慢ならないのかもしれないな。

満点の星空を見上げながら
あ~、俺ももう成人だしそろそろちゃんと働くかなってちょっと思ったんだ。
置手紙を自分の部屋に残して
俺は当てもなくバイクで走り出した。

別に深く考えて家を出たわけでもないし、行き当たりばったりだった。
何日かはそれも楽しい一人旅だったんだけど
そろそろお金が尽きかけた時に、これじゃだめぽ!って。。。

で、仕方なく仕事と、思ったんだけど今更家に帰るわけにも行かない。
勢い住み込みで働けるならなんでもいいや!って
たまたま泊まった温泉旅館で働く事にしたんだよ。
まあ、人生こんなもんだって気持ちもあったんだな(^o^)

仕事ってのは、やってみてこんなにしんどいもんだって初めて知ったよ。
もうなんちゅうか、やっとられんなって実感したんだ。
さりとて俺にも男の意地がある。今更辞めて家に戻るのも癪だしね。
それにしても、遊ぶとこもないし、もう頑張って働くしかないなって。

そんな頑張ってる俺に、ある日お誘いがあったんだ。
温泉宿で働く人っていろんな事情があるなんて全然知らなかったし
初めて一緒に呑んで、先輩たちの人生を聞いたんだ。
なんか、ガーンってきた。ちょっと親父をその時に懐かしく思ったんだ。

働いて働いて、酒呑んで、また働いての繰り返しなんだ。
だけど、いろんなお客さんが来て、いろんな事件が起きて退屈はしないんだ。
ちいさな旅館だったけど、常連さんに覚えてもらったりするのも嬉しかった。
ちょっとした事で『ありがとう』『また来るね』って言われるのは嬉しかった。

思い出せば、俺『ありがとう』なんていった事ないや!って。
休みもあってないようなむちゃくな仕事なんだけど
たまに一人でバイク飛ばしていろんなとこに行ったんだ。
別に意味なんかなかったんだ。単なる気晴らしだった。

そんなある日、一人のみすぼらしい格好した少女と出会ったんだ。
最初は、変な奴だな~って思って見てたんだけど、
自殺でもしるんじゃないかって心配になって声かけてみたんだ。

そしたら、孤児でもう死に場所探しにきたって。。。なんじゃいなだよ!
そいつの話聞いてたら、なんでかわかんないんだけど
俺、バイクの後ろに乗っけて旅館に向かって走り出してたんだ。

旅館の社長になんでかわかんないけど、俺必死に頼んでたんだ。
こいつを雇ってやってくれって。とにかく死んじゃうから雇ってくれってね。
社長は、最後にはお前が責任取るならそれでいいって言ってくれたんだ。
今までの俺の頑張りに対しての気持ちだってね。

その時に、あ~俺にも信用ってもんが出来てきたんだって思うのと
見ず知らずの女の為に、何頑張ってんだ?って気持ちが入り混じってなんともいえない気持ちだった。
それから俺達は、そう俺達は二人で頑張って働いたんだ。

家出してきた俺と、孤児な女は当たり前のように恋に落ちたんだ。
何にもない温泉街ともいえないような田舎でね。
たまの休みに二人乗りしてバイクでデートするくらしかないんだけどね=*^-^*=にこっ♪

おれが家出をしてもう5年が過ぎようとしてたある日、社長に言われたんだ。
二人揃ってついて来いってね。俺達は???だったんだけど、社長の車に乗って町に出た。
で、でっかいデパートに着いて、服買ってもらったんだ。

社長は、おまいら頑張ってるからって、スーツの一着もないとカッコつかないからってね。
なんか不思議だったんだけど、それから豪華な食事まで奢ってくれたんだ!
ほんと一日ががりで、旅館に帰った頃には日ずけが変わってたんだよ。

それから、また働いて働いて、デートして、働いてな毎日だったんだ。
酒呑んでがデートしてに変わっただけだな(笑)
なんか人生ってこんな事の繰り返しかなって、ちょっとそんな思いがしだしたんだ。

もうじき誕生日だねって彼女に言われて、あ~そうだなって思って時に
社長に二人そろってまた呼ばれたんだ。

『11日から二人とも連休にしてやるけど、
 11日の昼にこの前買ってやった服着て揃ってここに来いってね』
彼女が間髪いれずに聞いたんだ
『え、どうしてですか?』って
そしたら、社長は=*^-^*=にこっ♪って笑って、いいからいいからって!
俺は、全然意味がわからなくて( ゚д゚)ポカーン としてたんだけど、連休∩( ・ω・)∩ ばんじゃーいだな!


で、12日の日に二人揃って、一張羅の服着て旅館に行ったんだ。
そしたら、先輩が『いらっしゃいませ』って頭下げて言うんだ!

二人とも顔見合わせて、( ゚д゚)ポカーン としてから、
『先輩、勘弁して下さいよ(笑)』って言ったんだけど

先輩は、おおまじめに
『お客様、こちらへどうぞ』って
俺は、これはなんかが変だって思ったんだけど、言われるままにした。

そしてご案内された部屋に入った瞬間に、びっくらして腰抜かすかと思ったんだ。

社長が『お、来たか』って、其処座れって指さした。
其処には、なんと



親父とお袋が座ってたんだ!
俺もびっくりしたけど、彼女もびっくりしたらしい。誰?誰?誰???ってね。


俺がここにお世話になってから、社長はずっと連絡していたらしい。
そして、彼女も出来てマジメに働いてる俺を見て
もう大丈夫だって思って、親に引き取りに来てくれって。

彼女の事も、全部話していい子だからって、社長が保証しるって言ってくれたらしい。
そこで、是非旅館に泊まりに来てくれ。
旅館代なんていらないからって、そう言ってくれたんだ。

親父もお袋も、俺を見て涙してた。
それから、俺は親父と、彼女はお袋と一緒に温泉つかったんだ。
背中ながしながら、ちょっと親父がちいさくなったように見えたんだ。

それから、部屋でみんなで晩ご飯を食べたんだ。
それは、超豪華な料理で社長の温かさに感謝したいくらいなものだった。
それまで、俺は親父と全然話せなかったんだけど、親父の方から

『元気そうで嬉しいよ』って涙声でね、言われたんだ。

俺、それ聞いてもうだめだった。
なんて親不孝な馬鹿息子だったのか、思い知ったよ。
親父に酒注ぎながら

『ごめん』って言ったんだ。
そしたら、彼女が『違うよ!そうじゃないよ』って、

俺は、もう何がどう違うのか?さっぱりわかんなくて。。。
彼女が、



『ありがとう』だよって!



親孝行は、生きてるうちにしかできないから

『ありがとう』っていわなきゃって!





(いいから黙ってこれ↓を見る!みればわかるだ)
http://pya.cc/pyaimg/pimg.php?imgid=6133










俺、親父とお袋の前に正座して座って言ったんだ。


『こいつと結婚します』
『二人でこれから面倒ちゃんと老後まで見ます』

『今までありがとうございます』って頭下げたんだ。

彼女も一緒に隣に正座して頭下げて言ったんだ
『これからよろしくおねがいします』

親父は、うんうんってうなずいて
『立派になって、父さんは嬉しいよ』ってね。



それからみんなで浴びるほど呑んだんだ。
そして12時過ぎた時に彼女が



『お誕生日、おめでとう♪
 私達、二人とも生まれ変わってよかったね♥(・∀・)♥ 』

『ありがとう』って言える人生っていいよなって思ったんだ。




親父に、いつの日か、ちゃんとありがとうって言おうと思ってたんだ。








追記 10月30日

PS

BGMには、ぜひこれを聞いてほしいです。
http://www.youtube.com/watch?v=I5etmWdtgQk


何度も読み返していただき、ほんとに嬉しく思いますし
書いてよかったと思います。
僕のほうこそ、ほんとにほんとに

『ありが㌧p(*^-^*)q』です♪