海外渡航の臓器移植実態調査

ここ数年は、海外移植という手段を選択することが非常に多くなってきたし
こういう実態調査は必要だと僕も思うけど、なんで今までやってなかったのか?と思うな。
どうしてもメディアは心臓移植をハデにというか、まあ取り上げてくれるんだけど
実際問題として、腎臓とかのほうが実施数ははるかに多い。
で、まず読売新聞のその記事

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060408i213.htm
海外渡航の臓器移植実態調査、移植学会が新委員会設置
 日本移植学会(田中紘一理事長)は、日本人の海外渡航移植の実態を調査するため、今月21日にも「国際倫理問題対応委員会」を新設する。

 8日、同学会倫理委員会で報告された。

 臓器移植法改正案が、先月末、国会に提出されたのに合わせ、議論の基礎データを収集するのが狙い。

 国内の臓器移植は、臓器提供者(ドナー)の不足から、渡航移植に踏み切る患者が近年増えている。改正案は、こうした現状を踏まえ、国内の移植拡大を目指すものだが、渡航移植の術後の生存率など正確な情報はなく、学会として調査に乗り出すことにした。

 渡航移植の実態調査としては、厚生労働省の研究班が、移植学会会員を対象にしたアンケート調査がある。3月に発表された中間報告で、これまでに渡航移植を受けた人は、少なくとも453人(心臓103人、腎臓151人、肝臓199人)。21日までに最終報告がまとめられるが、同研究班の調査では、渡航した国ごとの手術成績など詳しい実態は不明。そのため、新設される委員会が調査を引き継ぐ形となる。

(2006年4月8日22時3分  読売新聞)

で、この記事によると、
渡航移植を受けた人は、少なくとも453人(心臓103人、腎臓151人、肝臓199人)。
であるらしい。
少なくともと書いてあるから、実際はもっと多いんだろうと思えるけど、
中国だけでも凄い人数が日本からいってるという記事をご紹介したいと思う。
あまりに長いから抜粋しました。

http://www.epochtimes.jp/jp/2006/04/html/d19932.html
中国へ、臓器移植を求める金持ちの日本人が急増

 【大紀元日本4月9日】日本が1997年に臓器移植法案を改定してからも、日本での臓器提供の回数が50回に留まっており、腎臓移植は998回のみが行われた。臓器提供者が少ないため、1万2000人もの臓器移植を待機する者の多くは、中国へ臓器移植を求めた。しかし、それらの多くの臓器の出所は未だに不明である。

 ウェブサイト「ジャパン・フォーカス」は4月2日、中国で腎臓移植に掛かる費用は6万6500米ドル(約778万円)で、肝臓移植に掛かる費用は15万7000米ドル(約1835万円)であると報道した。少し前に、台湾の「イエーソン・ヘルスケア・サービス・センター」のネット仲介者は、「ジャパン・タイムス」に対して、上海の中山医院での心臓移植手術は、わずか11万9000米ドル(約1392万円)でできることを示したという。ちなみに、米国で同様な手術を行う場合は、86万米ドル(約1兆円)がかかるという。

 最近の実例

 日本で腎臓移植の手術は年間10回にも満たない中で、4年間腎臓を待ち続けた建築関係の会社経営者・平野ケンイチロウ(62)は、インターネットで噂の中国臓器を探し当てた。

 平野氏は、ウェブサイトの「中国国際臓器移植センター」で連絡先を求めた。同サイトhttp://en.zoukiishoku.com/list/link.htm(2006年4月2日版)は、英語、日本語、韓国語およびロシア語による詳細な説明が行われており、「患者様の検査データを当センターへメールにて送付し、またはファックスにて送付し、当地担当病院において、移植に際しての禁忌等確認および診断等を行う。診断後移植可能と診断された場合、移植手続きの申し込みをいただく。もっとも早いケースでは1週間程度でドナーが現れる可能性がある。肝臓のドナーは1ヶ月、長くても2ヶ月で現れる」と掲載している。しかし、臓器の出所は一切説明していない。

 平野氏は、中国瀋陽市にいる日本人仲介者と連絡を取ってから10日後に、自分が上海の病院で腎臓移植を行っていることに驚いたという。腎臓提供者は若い死刑囚と言われ、腎臓の価格は680万円だった。同氏にとって、安価な買い物だった。同氏は、最近中国で腎臓、肝臓または心臓移植を行った数百人の金持ち日本人の中の一人に過ぎないのだ。 

これの本文中に一兆円とあるけど、一億円の間違いだと思います。
で、最後に、最近は数百人と書いてある。どういう統計かがわかんないから困るけど
実際は、今もドンドン増えてるだろうし、もっと多いんじゃないかとさえ思えるんだな。
もうこれがビジネスとして成り立っているという現状がちょっと違和感を感じる。

今までにも、死刑囚からの臓器摘出だのいろいろ書いてるんだけど
もうキレイごとだけでは現実にはすまないくらいな状況だと思う。
日本以外からはどれくらいの移植希望者がいるのか?
資料があれば是非知りたいと思うんだな。

日本でも、ようやく臓器移植法改正案が出されたんだけど、どっちの案になるにしろ
劇的に移植の数が増えるという物でもないだろうし、現実的には変わらないと思える。
僕はこの問題に関しては、できるだけ取り上げてきてるんだけど
それでも何が一番いいのかさえ未だにわからない。

拡張型心筋症という持病があって、担当医から最初に
『最後には、臓器移植ということになるかもしれないという覚悟』を言われてるから
どうしても考えてしまうんだけど、お金で中国から心臓破格に安く買える現状はいいのか?
それとも欧米で高額でも安心できる移植がいいのか?
日本で何時になるかわからないのを待つのがいいのか?

命の尊厳という問題と、自分の命という問題と天秤にかけると現状は致し方ないのかもだけど
僕には、どうしてもこの中国の問題は許せない気持ちがあるんだな。
まあ、それは僕個人の感想だけど、世間の皆様はどうなんだろうかと思えてならないんだな。
難しい問題だな~。。。