ミリオンダラーベイビー

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昨日エヴァのレビューを書いた後で、今日がこのミリオンダラベイビーなんだけど
ちょっと、相当なショックを受けてしまったんだな。
基本的に僕は、戦争映画は好きでよく見るけど、この手のはあんまり見ないし
芸能情報とかも見ないから、この映画がアカデミー賞をとったことくらいしか予備知識がなかった。

で、これから書くことは、ひじょ~にネタバレなことになるから
この映画を見てない人は、ココから先は、見ないほうがいいと思う。

クリント・イーストウッドという人の映画は昔のカウボーイみたいなのと
ダーティハリー・後は、シークレットサービスの役の奴と
僕が好きな海兵隊の先生役の古い戦争映画だな。後は、知らない。

モーガンフリーマンは、ショーシャンクの空にと、トムクランシーの小説の映画化したやつくらいか。
ま、どっちもアメリカを代表する俳優だと思う。
この映画における演技も、ケチのつけようもないものだと思う。

んじゃ、そろそろレビューを書くかな。
もうスクロールしないとみれないだろうからね(✪ฺܫ✪ฺ)

この映画が『尊厳死』を扱ったものだというのは、思いもしなかった。
エンドロールが流れ出してから、ちょっと脱力したというか、言葉が見つからなかった。
途中まで見てて、連戦戦勝で世界戦まで来たときに、勝ちを確信した僕がいたし
心のどこかでハッピーエンドを期待してたからだ。

それは、マギー(主人公の女ボクサー)の境遇から、かってにそう決め付けた。
この時点までアメリカンドリームを描いたかのように思えるしね。
しかし、『自分を守る』という何度も出てきた言葉が、ちょっとひっかかったのも事実だ。
そして、不幸な反則パンチ一発によって、彼女は全身マヒになる。

結果として、片足を切断され、尊厳死を彼女は望むんだけど
『私はいきた、思い通りに、その誇りを奪わないで』という言葉に僕は、深く考えさせられた。
こういう身体状態になった場合、恐らく僕もこれと似たような事をいって
尊厳死を望む事になると思う。少なくとも、今そうなったら、そう言うだろう。

僕は、拡張型心筋症という持病があって、移植を望んでいないんだけど
心臓君が、もうダメになって寝たきりになるくらいなら、尊厳死を選びたいと思ってる。
それは、僕自身がその状態で生きる事に、価値を見出せないからなんだけどね。
誰にも迷惑かけずに、自分で遺書書いて、点滴やら外して逝きたいと思ってる。

で、話がずれたけど、ちょっと調べてみたら、この作品に関して
クリント・イーストウッドは、ラブストーリーだと言ってるみたいなんだな。。。
僕の目には、どう見ても親子の愛にしか見えないんだけど、ラブストーリーなんだろうか?

モ・クシュラという彼女のガウンに書いた言葉が出てくるんだけど、
これの意味が、『愛する人よ、お前は私の血』 ということらしい。
血というのが、血族として、親子としての血の意味じゃないかと僕は思えるんだけど。
こういう場合、得てして本音を言ってるとは限らないけど、すこし不思議に思う。

それとも、お前は私の生きる全てという意味だろうか?これは、解釈が難しいな~。
愛する人よ、というのも女として愛するという意味なのか?
それとも、娘として愛すべき存在としてなんだろうか?
よくよく考えると、どっちともとれないことはないな。

冒頭に、エヴァの事を書いたから書くと、
ある意味、エディプスコンプレックス・エレクトラコンプレックというものを側面として
描いたんなら、ラブストーリーだと取れなくもないようにも思う。
娘として、女としてという愛を描き、そして性的描写は最後のキスしかないんだから
その結果として、尊厳死を選んだという見方もしようと思えばできるんじゃないかな。

これは、僕個人の感想だから、批判受けそうな解釈かもだけど、そうも思えるんだな。
こう解釈すると、モ・クシュラで娘として愛し、キスで女として愛したと取れないこともない。
アイルランド系の典型的な名前とか、カトリック教会とかそういう背景を描いている以上は
尊厳死への問題提起と共に、この許されない愛をもえがいたかのように感じるんだな。

クリント・イーストウッド自体が、どういう宗教を信仰してるのかも知らないけど
自分で主演・監督までして描きたかったものという見方をすれば、そうなのかもしれない。
僕は、この映画のレビューを見返してから書いてるんだけど、
偉大なる小沢征二さんが、スコアは見返せば見返すほどに新しい発見があると言った記憶があるけど

この映画は、何度も何度も見返すことによって、新しい発見があるのかもしれないなと思う。
そういう意味では、クリント・イーストウッドという人の最高傑作だと思う。
最後の場面に出てきた、あのお店で、『もう今すぐ死んでもいい』と言った場面があったけど
彼は、この映画を製作することができて、同じ感想を思ったように思う。

これは、是非とも皆さんに見てもらいたい映画だと思うな。
見てない人は、読まないほうがいいと書いときながら、オススメする僕も僕だけど
ほんとに、静かな感動を与えてくれる映画だと思います。

                                   ( ・∀・)っ旦~