僕はバカじゃないです

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みんなは僕の事を知恵遅れな子とかちょっと足りない子だと言ってます。

勉強は、全然できません。
給食も全然食べれません。
みんなとも仲良く遊べません。
でも、僕はバカじゃないです。

小学校の3年生になりますた。
ひらながしかいまだに書けません。
さんすうも足し算ができません。
体育だけはちょっと得意かもです。

お母さんは、とっても優しいです。
お父さんもとっても優しいです。
じいちゃんばあちゃんは大好きです。
先生も大好きです。

でも、お友達はあんまりいません。
みんなのまねしてもうまくできません。
がんばってもできないものはできません。
でも、僕はわかってるんだよ。

先生は、今までの先生の中で一番すきです。
勉強も頑張って教えてくれます。
黒板に答えを書かせてくれます。
できるまで何度でも黒板に答えを書かせてくれます。

クラスのみんなはそんな僕を笑ってます。
バカだな~っていって笑ってます。
迷惑だって思ってる子もたくさんいます。
みんな僕はわかってるんです。

国語の本読みも、先生はちゃんと読ませてくれます。
でも、全然上手に読めません。
そしてみんなが笑います。
先生は、ゆっくり読んでもいいからって読ませてくれます。

体育も、かけっことかは誰にも負けません。
でも、ルールがあるのはできません。
あ、泳ぐのは得意です。
だから夏は大好きです。

音楽は全然わかりません。
僕が歌うとみんなが笑います。
でも、勉強の時と違って楽しい笑いです。
僕はガンバって大きい声でうたいます。

秋になって運動会がありました。
僕は、かけっこで一番になりました。
クラスのみんながほめてくれました。
僕は、うれしいです。

冬になって、毎日さむいです。
でも、お正月にいっぱいほしいものもらいました。
お父さんともいっぱいあそびました。
じいちゃんと雪だるまつくりました。

春になって、先生が転校しることになりました。
僕は、絶望しました。
もうこの学校にはいきたくないです。
先生のいない学校はつまらないです。





せんせいにてがみをぼくはいっしょうけんめいにかきました。
ほんとにほんとにいっしょうけんめいかきました。
おかあさんにたくさんたくさんききました。

おかあさんとおとうさんが
ぼくがいっしょうけんめいかいたてがみをみて
たくさんたくさんほめてくれました。



せんせいへ

せんせいは、べんきょうができないぼくのために
ほんとにいっしょうけんめいにおしえてくれました。

ぼくは、みんなにわらわれても
せんせいのためにがんばりました。

いままでのせんせいとはちがって
せんせいはぼくのためにいっしょうけんめいに
おしえてくれました。

ぼくはそんなせんせいがだいすきです。
だから、ぼくもたくさんがんばりました。

おうちにきておしえてくれたこともありがとう。
いじめからまもってくれたこともありがとう。

せんせいは、とってもいいひとです。
ぼくはべんきょうできないこだけど
せんせいのおかげでがんばりました。

これからもがんばります。
だからせんせいといっしょにいたいです。
ぼくはせんせいがだいすきです。

ぼくはばかじゃないです。
せんせいはばかじゃないよっておしえてくれました。
だからぼくはばかじゃないです。

せんせいのおかげでおともだちもできました。
せんせいはぼくをだいじにしてくれて
ぼくはとってもうれしいです。

せんせいありがとう。
どこにもいかないでほしいです。




最後の授業の日に先生は学校に頼んで授業参観になりした。
そしてみんなのお父さんやおかあさんが教室にきました。
そしてその日の授業の時に先生は授業しないでお手紙を読んでくれました。

教室で、先生は僕の手紙を泣きながら読んでくれました。
その姿を見てみんなも泣いてました。
お父さんやお母さんも泣いてました。

先生は、みんなに僕の事をお話してくれました。

僕はちょっと勉強できない子だけど馬鹿じゃないって言ってくれました。

これからみんなおおきくなっていくけど
みんながみんなできるわけじゃないっておしえてくれました。

ぼくのようにちょっとだけおくれるこもいるっていいました。
ひとをけおとしていくのはいいことじゃないっていいました。

できるこはできないこにおしえるのがだいじっていいました。
ひとをおもいやるやさしいこにみんななってほしいっていいました。

こまったひとをみたら、たすけてあげるこになってほしい。
せんせいは、べんきょうもだいじだけど
ひととしてみんなにそういうことをだいじにしてほしいってさいごにいいました。

みんなはせんせいのだいじなおしえごだからっていいました。
おもいやりのあるこになってくださいっていいました。



そして先生は違う学校にいきました。
僕は、今もちゃんと学校に行ってます。
みんなが僕を笑わなくなりました。

みんなが先生にお手紙を書きました。
みんなにお返事がきました。
お父さんやお母さんにも先生はお手紙を出しました。

そのお手紙は僕の大事な大事な宝物です。
そのお手紙になんて書いてあったかは秘密です。

僕は、その先生からのお手紙を見てから学校に行きます。
僕も、頑張って勉強して
将来は、先生みたいな先生に僕もなりたいです。



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